平成16年度施政方針
平成16年3月3日
大森町長 備 前 雄 一
(はじめに)
 平成16年第1回定例会にあたり施政の方針を述べ、議会と町民皆様のご理解とご協力をいただきたいと思います。
 さて、平成15年度の日本経済は、世界経済の回復が続く中で、企業部門の回復により生産や設備投資が緩やかな増加を示し、雇用環境が厳しいながらも持ち直しに向かっております。
内閣府が発表した10月から12月期の実質GDPが、前年比1.7%増(年率換算で7%増)と、バブル期以来の高い伸び率となり、予想を上回る回復をみせております。
 一方、家計部門においては、個人消費の物価の下落幅は縮小しているものの依然としてデフレ傾向は継続しており、景気の自律的回復は望めない状況にあります。
 こうした中、政府は、年末に平成16年度予算の概要を閣議決定しました。この予算編成の基本方針において、地方財政については「三位一体の改革」を推進し、地方が自らの責任で自主的、効率的な行政サービスを選択することとし、併せて、地方財政計画の歳出を徹底的に見直すこととしました。
 この地方財政対策により市町村は大幅な財源不足を生じ、本町においても平成16年度の予算編成は、かってない厳しい状況となりました。
平成15年度実績ベースで、地方交付税7.6%、臨時財政対策債28.7%の減額は、併せて2億8千万円にものぼり、また、公立保育所運営費等の一般財源化に伴う財源措置として出された所得譲与税は、15年度補助実績4千3百万円の3割程度に過ぎません。
 このような現状をふまえ、平成16年度の予算は、歳出の縮減を基本としながらも、単独建設事業を平成15年度当初より5.4 %増額するなど、極力町民へのサービス低下をきたさないよう調製いたしました。
 一般会計予算の総額は、43億8千90万円と前年度当初と比較し、8百60万円の減額、比率では0.2%の微減となっております。財源の不足は、臨時財政対策債の発行と減債基金のほぼ全額を繰り入れし、併せて財政調整基金3億7千20万2千円を繰り入れることとしました。
 このように国が掲げた「三位一体」の改革が町財政におよぼす影響は計り知れなく、危機的状況と云っても過言ではありません。
また、企業会計と特別会計の合計額は60億1千7百万円となり、全会計の総額は、103億9千8百万円と、15年度当初比0.7%の増となりました。
 以下、新年度の主な施策について述べさせていただきます。
(市町村合併への対応)
 昨年9月に本町を含む5市町村で設置された横手平鹿合併協議会は、既に4回の協議を重ねましたが、県内で初めての、合併特例法に基づく山内村の住民発議による6市町村での合併協議会が新たに本年1月13日に設置されております。
 これにより、これまでの決定事項は、振り出しに戻り、また、新たにスタートをすることとなりましたが、来年3月19日の新設合併に向け、十分な議論を重ね、可能な限り住民福祉の向上を目指した協議を行って参りたいと考えております。
 私の町政運営の基本方針は、町政の主役である町民の皆様との対話を通して、明るい町づくりを推進していくことであります。
 今後は、住民の皆様が最も関心のある新市の名称、新市の事務所の位置、議会議員の定数等の取扱い、地方税の取扱い、組織機構の取扱い、更には住民サービスの方針などの重要案件が協議されますが、町の将来に明るい展望の持てる最良の合併を目指し、常に町民皆様に軸足を置くと共に機会ある毎に意見を賜り、協議に臨む決意であります。
 一方今回の合併は、決してバラ色のものではなく、山積する行政課題の解決のために最も有効な手法として、熟慮の結果、苦渋の選択をしたものであり、21世紀の新しい町づくりをするためには、絶対必要なものであると固く信じるものであります。
 ここで、改めて申し上げたいことは、今回の平成の大合併が強力に推進されている理由であります。一つは、地方分権一括法の施行により、国の指示や命令を待たずに、自らの責任と判断で特色ある町づくりをすることが可能となり、これまで以上に市町村の役割が重要になってきたことであります。また一つは、交通通信網の発達により、住民の活動範囲が飛躍的に広がり、このため、広域的な町づくりが必要であり、更には、少子高齢化や環境問題、情報化の進展等、多様化、高度化する行政需要に市町村の的確な対応が強く求められているためであります。中でも、最も大きな理由は、国と地方を合わせた財政の長期債務残高、いわゆる借金は、平成16年度末には、約719兆円という巨額に達する見込みで、これは主要先進国中、最悪の危機的な状況となっております。このため国は、財政構造の抜本的な改革に着手し、この結果、地方交付税や補助金等の大幅な減額を招くこととなり、この傾向は今後も続くものと予想されています。際だった自主財源がなく、歳入の大部分を依存財源に頼る本町のような脆弱な財政基盤では、現在の行政サービスの水準を将来にわたって維持していくことは不可能に近く、より一層簡素で効率的な行財政運営を行うことが喫緊の課題となっているためであります。
 本年度の最重要課題は、申し上げるまでもなく市町村合併であります。合併協議が順調に進めば、来年3月には、49年という長きにわたり、数々の歴史に残るドラマを創造し、波乱と栄光に富んだ輝かしい町史に幕を下ろすことになりますが、町民の皆様をはじめ、町の将来を担う子や孫が「住んで良かった」「いつまでも住み続けたい」と胸を張って誇れる新市を誕生させることが、私に課せられた最大の使命であると考えております。これから本格的に協議が行われる新市構想や新市建設計画に渾身の力を注ぎ、合併という小さな木を、横手平鹿の大地にどっしり根を張らせ、夢や希望という果実が沢山実る大きな木に育てたいと考えております。
 なお、協議途中においては、各市町村互いの利害が衝突し、紆余曲折も予想されますが、これまで以上にきめ細かな情報公開と情報提供を行い、皆様の英知を賜り、町の利益に叶った協議を重ねて参りますので、町民の皆様並びに議員の皆様には、引き続き、特段のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
(地区会議の設置)
 地方分権社会におけるまちづくりとして展望していることは、当該地に長く生活し、最も精通している住民の皆様が、行政活動に主体的に参画し、積極的にその役割を担う、行政と住民の協働が重要と考えております。このため、地域住民自らが地域づくりについて考え、これを基に住民が主体となって地域づくりを行えるシステムとして、本年度において、町内小学校の学区を単位として、4つの地区会議を設置し、住民総参加による行政を推進してまいります。
(地域合意を目指す農業)
 農業の振興につきましては、昨年は夏場の低温、日照不足、秋の高温などの異常気象によって、農畜産物の生産・流通に大きな影響が出ました。
 更にBSEや鳥インフルエンザ、新米の不適正表示等、食の安全・安心という「食の事件」に関する問題に全体が過敏になっている状況下にあります。
 今年度から米政策改革大綱に基づき、地域自らの発想、戦略と地域合意による水田農業の産地づくり等を目指した新しい米政策、水田農業政策がスタートすることで、農政は大きく変わろうとしており、米の産地間競争がますます激しくなることが予想されます。
 本町においては、町水田農業ビジョンに基づき、担い手の確保・育成、農地の集積化と売れる米づくりの推進、並びに振興作物の作付拡大、集落営農の推進等を行い「やる気と能力のある経営の後押し」と「消費者の視点に立って信頼の高いトレーサビリティシステムの確立」を図りながら、農業者に他産業並みの所得向上を目標に経営の安定を図ってまいります。
(野菜の振興)
 野菜については、栽培農家の積極的な取り組みと努力により品質の向上と生産量の増加が見込まれ、規模拡大、新規栽培農家が増加しております。今後も「農業夢プラン応援事業」を活用し、意欲のある農家の施設野菜、露地野菜栽培の導入を、積極的に支援してまいります。
(椎茸の振興)
 椎茸につきましては、生産農家の努力等により順調に販売量、販売額共に増加し、市場での評価も大変好評であります。
 今後も需要が見込まれる作目でありますので、規模拡大、新規栽培農家の増加を図り、一大産地化に向けて取り組んでまいります。
 また菌床椎茸の周年栽培体制が確立され、今以上の出荷量が見込まれることから、共同選別施設の整備等に支援してまいります。 

(林業の振興)
 林業につきましては、森林空間総合整備事業の完成により、今後は大森公園周辺の多くの利用が期待されます。また、森林組合等による県南木材加工流通センターの建設へ補助をすることにしました。このように森林の持つ多面的機能の維持を図るとともに、木材の生産・流通を促進するため、森林整備には、これまで以上に力を入れてまいります。
 松食い虫防除につきましては、被害木の伐採や駆除事業を継続し、伐採跡地に桜等の植樹を実施してまいります。
 森林所有者が施業等を計画的に実施するための森林整備地域活動支援事業につきましては、平成16年度も引き続き10団地1,704.3haを対象に実施してまいります。
 また、地産地消による木材の需要拡大をねらいとする、地域材を使用した木造施設整備事業について要望してまいります。
(土地改良整備事業)
 土地改良事業については、平成11年度から5カ年継続事業で実施してきました、県営山城水系2地区排水対策特別事業で計画された4,406メートルの全線が完了しました。鉢山地区県営ため池等整備事業は、3年目となり、下ため池が90%完成し、平成16年度は、上ため池の洪水吐と取水施設等を整備します。
 大森土地改良区の郷揚水機改修事業につきましては、調査を進めていますが、今年度は、平成17年度工事着工に向け、実施計画の策定を実施します。
 また、昨年度から実施しております用排水路整備等の町単独事業は、今年度2地区を対象に実施します。本事業は、国や県などの補助事業の対象とならないものに町が支援するものであります。
(地籍調査事業)
 平成9年度より実施している地籍再調査事業は、平成15年度までに451.47haの面積と3,179筆の実績となっております。今年度は昨年に引き続き上溝地域の杉平、末野、下川原、蒲ノ池、中野地区を実施いたします。
(商工業の振興)
 町の商工業につきましては、長引く景気の低迷や、郊外大型店舗への消費の流出により、町内小売業の経営は依然として厳しい状況ではありますが、共通商品券の発行など地元購買促進も徐々に定着しており、引き続き、商工会など関係機関と連携をとりながら商店街の活性化対策に取り組んでまいります。
 また、製造業や建設業においては、引き続き町内事業所の経営の安定と体質強化に向けた融資助成制度など経営支援措置対策を講じながら、活力ある地域経済の振興に努めてまいります。
(中心部活性化対策について)
 本町はもとより全国的な傾向として車社会の進展や郊外大型店舗の出現などにより、町中心部はかつての賑わいを失っておりますが、町中心部活性化対策については、これまで、本格的な事業実施に向け、調査や関係団体等との協議を重ねて参りました。これらを基に本年度は、町の中心部に位置する歴史的な文化価値がある赤レンガ蔵の保存・修復に努め、これを町の貴重な財産・シンボルとして位置づけ、文化活動の拠点や様々な催し物が可能な集会施設として整備してまいります。また、併せて同敷地一帯を小公園に整備し、誰もが集える憩いの場所としては勿論、各種のイベントの会場として積極的な利用促進を図ってまいります。
 なお、事業の成果や効果について疑問視する声がありますが、本事業が現時点では最も効果的で最良な施策であると固く確信するものであります。また、本計画に対しては、商工会や町内会など19もの団体から早期完成の陳情が出されており、これらをはじめとする多くの町民の皆様の、長年の懸案である要望に応えるためにも早期の完成を目指してまいります。
(観光の振興)
 観光につきましては、大森公園の周回道路や散策道が完成し、本丸まで車での往来や散策が可能となりました。さくらまつりや秋の紅葉、さらには森林浴など四季を通じて満喫できる公園として観光客の拡大に努めてまいります。
 また、懸案となっておりました町民プールの濾過装置の改修を進め、水泳教室や一般利用を促し町民の体力づくりやふれあいの場として利用の推進を図ってまいります。
 大森グラウンドゴルフ場は、昨年、日本グラウンド・ゴルフ協会より正式に認定されました。町内外からの愛好者による月例会や各種団体等の誘致を積極的に進め、レストランふれあいや、さくら荘の宿泊・日帰りパック等と組み合わせながら誘客の拡大に努めてまいります。
 特産品の振興につきましては、物産協会や町グリーン・ツーリズム推進協議会を中心に都市との交流を推進しながら、町特産品のPRや販売拡大などに努めるとともに、農産物食品体験加工施設を利用し、新たな特産品の開発をめざします。
(高速交通体系の整備促進)
 東北自動車道秋田線の秋田南インターから大曲インター間の4車線化工事が完成しましたが、高速交通体系は国土の均衡ある発展を促すばかりでなく、産業を発展させ、かつ文化の源となるものであり、その整備を促進することは急務であります。
 本町を横断する主要地方道、横手大森大内線の八沢木地区道路改良工事は、現在、前田・上八沢木間980mの改良整備について、今月の完成を目指し順調に進捗しているところであります。又、中房バイパス滝ノ沢地区720mの道路整備についても今年度用地買収に入る予定であります。
 また、湯ノ又前田線の十二の木地区についても、一部拡幅改良が行われておりますが、引き続き、県道改良に関し幅員の狭い箇所、急カーブ箇所等につきましては、早期改良整備を強く要望してまいります。
(町道の整備)
 町道の改良整備については、役場・大町線道路改良工事を、平成16年度完成にむけて実施する予定であります。
 また、地域から要望のあった、交通量が多く狭隘な町道についても、関係者の協力を得ながら、道路改良整備を実施するほか、小規模舗装、側溝等についても逐次補修工事を実施してまいります。
(冬期間の交通の確保)
 除雪については、バス路線・通勤通学路の早朝除雪に努めるとともに、危険箇所への融雪剤の散布等、住む人に優しい除雪を心がけながら、冬期通行の安全確保に万全を期してまいります。
(生活バス路線等地域交通対策について)
 本町にとって唯一の公共交通機関である路線バスは、少子化やマイカー等の普及によりその利用者は年々減少傾向にありますが、高齢者や通学者等にとって必要不可欠な交通手段となっております。運行ダイヤや経費等についてバス事業者と充分協議し、国、県の制度を有効活用しながら、地域住民の生活に支障を来さない公共交通の確保に努めます。
 また、民間事業者の参入が望めない交通空白地帯の解消と高齢者等交通弱者への福祉やコミュニティ対策として、路線バスの通っていないさくら荘や健康温泉など大森リゾート村周辺施設へ運行しているシャトルバスは、平成15年度に、半年間実施した本格的運行の実績を踏まえ、平成16年度も継続運行してまいります。
(地域情報化の推進について)
 過疎地域であり豪雪地帯でもある本町にとって、こうした不利条件を克服するための情報通信基盤整備は行政の緊急な課題であります。
近年、著しく普及した携帯電話ですが、本町には未だ不通話エリアが多く存在し、情報格差の早期解消が求められています。引き続き、前田地区及び坂部地区の電波状況の改善に向け、国、県、関係機関に強力に働きかけてまいります。
 昨年6月、電気通信事業者が、西野の交換局を中心に高速データ通信が可能なADSLサービスを開始しました。今後は、全町全域でサービスを享受できるよう関係機関に働きかけてまいります。
 また、「ネットおおもり」を引き続き運営するほか、パソコン講習会を総合学習センター等で開催し、一人でも多くの町民が身近にインターネットやパソコンを活用できるような環境づくりに努めてまいります。
(農業集落排水事業)
 快適で住み良い生活環境を守るため欠かすことのできない集落排水事業は、7地区で供用しており、汚水の浄化に努めております。また、平成15年度に完成した汚泥乾燥施設により、汚泥を土壌改良材として再利用し、資源の循環を図ってまいります。なお、下水道加入率は75%で、未だに接続していただいていない家庭があります。事業の主旨をご理解の上、より多くの方々が加入していただけるよう加入促進に努めてまいります。
(水道事業)
 水道事業については、平成15年度に上水道と簡易水道を連絡管で結び、水不足等の緊急時でも給水ができるよう施設整備を行っております。今後も安全で良質な水を安定供給できるようろ過事業等を検討してまいります。
(環境衛生)
 ごみ収集については 、平成16年度においても分別収集を徹底させ、循環型社会構築に向けた環境行政を進めてまいります。
 また、夏期における燃えるゴミ収集を週2回実施しておりますが、今年度は、期間も7ヶ月間と昨年より2ヶ月延長してまいります。
(西部環境保全センター)
 平成14年度に発生いたしました西部環境保全センターの汚水排出問題につきましては、職員の管理体制を整えるとともに施設全般について総点検し、是正・改善したところであります。また平成15年度では最終処分場の下流側耕作地の皆様に改善後センターにおいて現地確認のうえ、説明会を開催し、同時に水利組合と放流水にかかる協定を交わしたところであります。
 なお、廃棄物の適正な処理を確保するためには、常に適正な運転・維持管理に努めなければなりません。施設も供用開始後12年になることから多くの設備更新と修繕が必要になってきております。広域的なごみ処理施設の統合計画との整合性をにらみ、平成16年度では施設全体の精密機能検査を実施し平成17年度で大規模な修繕をしたいと考えております。
(消防防災)
 消防施設整備につきましては、年次計画で整備を進めておりますが、平成16年度も防火水槽を3基新設し、消防器具置場1棟の改築を行います。また、町民の防災意識の高揚を図るため、防災マップを制作し全戸配布いたします。
(戸 籍)
 平成16年度では戸籍のシステム導入事業を実施し、平成17年1月1日から戸籍事務に関わる業務全てが電算化され、戸籍謄本などの交付時間が大幅に短縮されます。
 また、住民基本台帳ネットワークシステムが稼働しておりますが、住民へのカード交付を呼びかけ、住民票の写しの広域交付や転入転出手続きの簡素化などのサービス利用を推進いたします。      
(健康の丘おおもりの運営)
 保健・医療・福祉の総合サービスの拠点として開設した「健康の丘おおもり」の施設は、町民の皆様のご理解をいただき順調に運営されているところであります。
 今後も各施設と連携をとりあい、包括的かつ効果的なサービスの提供に努めます。
保健福祉センターでデータ管理している在宅健康管理システム「うらら」は、現在560台設置されており、医師との連携による町民の健康管理を一層支援してまいります。
(健康管理)
 健診事業につきましては、早朝総合健診のほか、町立大森病院での節目年齢健診を実施し、疾病の早期発見・早期治療に努めます。また、近年増加傾向にある若年者の子宮がん発症に対応すべく、検診対象年齢を25才に引き下げると共に、乳がん検診に新規にマンモグラフィ検査を導入し検診精度の充実に努め、町民が気軽に受診できる体制を整備強化いたします。
 また昨年から県の指定を受けて実施しております「心の健康づくり・自殺予防対策事業」につきましては、うつ病に対する啓蒙活動を重点に地域毎の巡回相談や生きがいづくり事業等心の健康づくり対策を推進して心身両面からの健康づくりを目指してまいります。
(子育て支援対策)
 昨年の国会で「次世代育成支援対策推進法」が成立したことに伴い、新たな少子化対策が義務付けられました。従来進めてきた取り組みに加え、子どもを産み育てやすい社会の実現をめざすため、自治体には、子どもの視点、次代の親づくりという視点、サービス利用者の視点など8つの基本的な視点立った総合的な行動計画づくりを求めています。
 町としては、どのようなサービスが必要とされているかニーズ調査を行い、その調査をもとに具体的な行動計画を策定いたします。実施期間は、平成17年度から10年間であり、合併後の新市における計画となることから、合併予定市町村と調整をとりながら共同で作業を進めてまいります。
 若い世代の経済的な負担を軽くし、安心して子どもを生み育てられる環境づくりができるようにと実施されている、第3子以降の保育料を無料にする「すこやか子育て支援事業」と、第1子ゼロ歳児の保育料の無料については、平成16年度も引き続き継続します。そして町独自の保育料も国の徴収基準よりも軽減出来るよう、子育て支援対策を進めてまいります。
 また、子育て支援センター事業として家庭保育の支援を行うほか、子育てサークル活動や子育て広報誌の発行も継続します。子どもと老人のふれあいセンターでは、キッズクラブや放課後児童保育等の場としての活動のほか、子育ての支援サービスとなる事業を実施してまいります。
(結婚問題)
 平成13年度より町の補助事業として町内の独身男性により組織された実行委員会が主催する「ふれ愛交流会」において、これまでの参加者が延べ59名となり、そのうち2組がめでたく結婚をしております。まだまだ成果としては低いものでありますが、1組でも多くゴールイン出来るよう、様々な機会を利用した交流の場の創設など、町としても最大限の支援をしてまいりたいと考えております。 
(障害福祉)
 障害者福祉につきましては、平成15年4月から障害者福祉サービスが従来の「措置制度」から「支援費制度」に変わり、障害者のホームヘルプサービスやデイサービスなどの在宅福祉サービス、施設入所に関するサービス等の利用方法や仕組みが大きく変わりました。町がサービス利用希望者の申請に基づき、身体・生活状況を見ながら「支援費」の支給を決定し、決定を受けた方は、各種サービスを選択し、直接、事業者・施設と契約することになりました。利用者への制度の普及と利用者の立場に立ったサービスの提供が受けられるように努めてまいります。
(介護保険制度)
 介護保険制度も第2期に入り、サービスの利用希望が年々増加しております。 
 これに伴い、介護サービス給付費も平成15年度当初予算と比較して、施設サービス費で約12%、在宅サービス費で約61%と大幅な増加を見込んでおります。
 平成16年度は新規事業として、高齢者筋力向上トレーニング事業を計画しております。これは、転倒骨折の防止や加齢による運動機能低下の防止の観点から、高齢者向けに改良されたトレーニング機器を使用して、運動機能の向上を図るもので、虚弱な高齢の方々や要介護・要支援の方々の筋力回復を図り、身体機能を高めることにより、高齢者の要介護状態の改善に努めたいと思います。
(デイサービスセンター・生活支援ハウスの建設)
 平成15年からの2ヶ年継続事業でデイサービスセンターと生活支援ハウスの建設を進めておりますが、2月末現在の工事の進捗率は65%であり、本年6月の完成に向けて順調に工事が進んでおります。
 デイサービスセンターは7月1日からの事業開始を予定しており、年々利用希望の増加している通所介護に十分対応できるものと思います。
 また、高齢者生活支援ハウスは10月からの事業開始を予定しておりますが、住民へのPRについては、各種団体の研修会や各地区に出向いての健康教育学習会、戸別訪問など、これまで15回、延べ130人の方々に説明しており、利用申込みに意欲的な方もおります。独り暮らしや高齢者夫婦の方々の冬期間の生活不安を解消できるものと思います。
(在宅介護支援センター)
 在宅介護支援センターでは、居宅介護サービス計画の作成に加え、介護保険に対する苦情や相談等も受け付けており、高齢者が寝たきりなどの要介護状態にならないよう、自立した生活をおくるために必要な生活支援事業などに力を入れてまいります。
(国民健康保険・老人保健医療)
老人保健加入年齢が75歳に引き上げられたことにより、国保の若人の医療費が増加傾向にあります。また、国保加入者は増加しておりますが、逆に課税所得は減少しており、大変厳しい状況となっております。しかし、疾病の早期発見、重症化防止のために、今年度も引き続き人間ドック等を実施いたします。
 医療費の高騰が加入者の急激な負担増とならないように適正な事業運営に努めてまいります。
(町立大森病院)
 町立大森病院は、沢山の方々のご支援により経営的にも順調に推移しておりますが、市町村合併を間近にひかえ、より一層経営の健全化を図らなければなりません。
 医療環境は年々厳しくなって参りますが、夕暮れ診療や女性専用外来など地域ニーズに応えた特徴的なサービスを拡充しながら、地域包括医療を推進して参ります。
 また、「安全で良質な医療」を提供するためには、病院全体のレベルを上げていかなければなりません。このため、電子カルテ等システムの導入について検討するとともに、準備を進めて参りました病院機能評価について申し込みを済ませており、平成16年度中には受審できるものと思います。
(特別養護老人ホーム白寿園)
 特別養護老人ホーム白寿園は、平成15年度において、施設の大規模修繕工事や、利用者用ベッドの更新により、施設を利用される方々が快適で安全に生活できる環境を整えました。
 また、短期入所専用棟の修繕が完了したことによって、年々増加傾向にあるショートステイのニーズに積極的に対応していきたいと思っております。
 平成16年度は、耐用年数を経過した設備や備品の更新を計画しておりますが、今後とも充分な保守管理を徹底していくとともに、計画的に事業をすすめてまいります。
 施設の運営については、常に利用者本位に立ったサービス提供に心がけ、さらなる介護の質の向上を目指していきます。
(介護老人保健施設老健おおもり)
 介護老人保健施設老健おおもりは、経営環境は厳しいものがありますが、利用者が明るく家庭的な雰囲気の中で、心のふれあいを大切にしながら、毎日を安心して心豊かに過ごしていただけるよう、サービスの提供に努めます。また、「選ばれる施設」を目指し、職員ひとりひとりが日々研鑽に努めます。 
(男女共同参画)
 創造と思いやりの町民性を育むまちづくりの視点から平成14年11月に7名の委員による大森町男女共同参画推進委員会を設置し、本年1月に同計画を策定しております。
 本計画は、男女共生を基本理念に「女と男とが思いやりの心で支え合う社会の実現」を目指したものであり、今後は、一日も早い確実な実行に向けて、積極的に推進して参りたいと考えております。
(国際交流)
 国際交流が重要な時代となっていることから、各世代に対し、海外の生活や文化・歴史を学び人々との交流を通した国際理解と友好親善をさらに支援してまいります。
 これからの時代を担う中学生に対して、同じアジアの一員であり隣国でもある中国ハルピン市を中心に、生活や環境の違いを体験し、更には、中国の歴史や文化を学び、併せて同年代との友好交流を図る目的で、昨年に引き続き、町国際交流協会が実施する中学生「真」発見ワールド事業に参加する生徒に支援してまいります。
(教育行政の充実)
 国際化、情報化、少子化など教育を取り巻く社会環境は大きく変化し、教育に対する要望も高度で多様なものになってきておりますが、大森町教育振興基本計画の主目標であります「自主的で創造性に富み、かつ健康でたくましい人間の育成」のため、教育行政の充実に努力してまいります。
 学校教育では、「豊かな人間性を培い、生きぬくたくましさの育成と健康や体力をはぐくむ教育」をめざし、社会状況の変化に自主的に対応できる健全な児童・生徒を育成するため、引き続き、体験・交流学習を推進するとともに、学校・家庭・地域社会が一体となって「特色ある学校教育」を推進してまいります。
 小学校では、保呂羽小学校が昨年に引き続き複式2学級となりますが、複式学級解消のため町負担講師を派遣いたします。少子化による児童の減少に伴う弊害は、町内各小学校に関わる大きな問題であり、町では、平成14年度より、小中学校教育を考える会を開催するとともに、町政座談会や小学校区ごとの小学校統合に関する地域説明会で、学校関係者や町民の皆様などから、ご意見、ご要望等をいただいてまいりましたが、今後におきましては、議会と十分に協議を重ねまして、小学校統合の問題に取り組んでまいります。
 中学校では、コンピュータ教室に設置している全てのコンピュータを更新いたします。また、生徒の英語に対する関心を高め「生きた英語」に接する機会を持たせ、外国人と日常的に接して、異文化に対する関心と理解を養うために、引き続き外国語指導助手を雇用いたします。併せて、オーストラリアへの中学生海外派遣事業とオーストラリア・マケラガールズ・ハイスクールからの生徒受け入れ事業を実施し、国際感覚と豊かな心を育成する国際理解教育を行います。
(生涯学習・スポーツの推進)
 生涯学習関係では、学習機会と学習情報の提供を通じて、自主的な学習活動や地域に根ざした生涯学習を推進してまいります。特に家庭教育の充実を図るため、学校やPTAと連携した「子育て講座」を、きめ細やかに開催いたします。また、健康増進のために、季節を問わず、子どもからお年寄りまで気軽に参加できる、生涯スポーツを推進してまいります。
(総合学習センター・町立図書館)
 総合学習センター・町立図書館では、赤ちゃんに絵本を贈呈し、絵本の読み聞かせをアドバイスするブックスタート事業を実施いたします。併せて、子どもの読書意欲の高揚に努めるとともに、学校や関係団体と連携を図りながら、学習情報の提供と図書資料の充実を図ってまいります。また、生涯学習活動の場として、英会話や中国語などの各種講座の開催、各種サークルの活動発表・作品展示などを行って芸術・文化活動を推進してまいります。
(学校給食センター)
 学校給食センターでは、地場産の安全な食材を使った郷土料理を献立に取り入れながら、給食を通して、児童・生徒の食生活の改善を励行するとともに、心身の健全な発達をめざした学校給食を進めてまいります。
(むすび)
 平成16年度の施政方針は、以上のとおりでありますが、先にも申し上げましたように合併の協議が成就したあかつきには、大森町として最後の年度となります。
 厳しい財政状況や景気の低迷下にありますが、地域の発展を目指し、更に前進できるよう、議会・町民の皆様と力を合わせて町政運営にあたってまいりたいと思いますので、一層のご協力をお願いいたします。
 なお、本定例議会には、条例6件、当初予算15件、補正予算11件、その他議案5件の計37件を提案いたしました。十分ご審議のうえ満場のご賛同を賜りますようお願い申し上げます。